本記事は、以下の本についての感想記事です。
『諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない』 著者:為末 大
先日、ブログ界の巨匠マナブさんが宿題を出しました。
宿題とは以下です。
- 宿題:対象の図書を2週間以内*に読了し、読書感想文を出す。
*2020年7月20日~8月3日(宿題が出た日から推定)
- 対象図書:
久しぶりに本を読む貴重なきっかけを、マナブさんが与えてくれたので、読んでみました。そして、30年ぶりぐらいに感想文を書いてみました。夏休みは無いので【夏休まないの宿題】です(これを書いているのが7月27日)
残念ながら、マナブさんにTwitterでDMするも無視されたようで読んでもらえず。門前払いでした。
- 私が選んだ1冊はこちらです。
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目次
『諦める力』書評【あらすじ】
本書のあらすじは以下の通りです。
耐える人生か。選ぶ人生か。前向きに「諦める」ことから、自分らしい人生が開けてくる。諦めることは、逃げることにあらず。
与えられた現実を直視し、限られた人生を思い切り生きるために、よりよい選択を重ねていくことこそが「諦める」ことの本質である。
オリンピックに3度出場したトップアスリート・為末大が、競技生活を通して辿り着いた境地。
Amazon商品ページより
為末氏が競技人生、さらには競技後の競技する人立ちを俯瞰的に見てたどり着いた、人生において大事な「諦める力」について解説されています。
さらに本書のポイントをまとめると以下のような内容
- 為末氏の競技人生においては、18歳という若さですでに大きな選択をしたこと。
- 大きな選択だったが、のちの人生において間違ってなかったと悟ったこと。
- 努力をし続けることの代償、やめることの代償、諦めないことの代償について。
- 最終的には結局自分で決めることが大事であること。
”諦める”ということはどういうことか。
さらに、自分を明らかにして自分というものがどういうものかを悟るところから、ビジネスでニッチな市場を獲得するために必要なマインドまで言及された本です。分かりやすい事例も引用しながら解説してくれています。
『諦める力』に見る3つのポイント(人生、ビジネスにおいて)
私が「諦める力」を読んで感じたポイントは以下。
ポイント
- 今の自分の状態を明らかにして、自分を悟り、自分に必要な選択肢を自ら与えることの大切さ
(自分を明らかにし、悟り、必要な選択肢を自分で与える) - 己を知り、己の軸を持つこと
- 己の軸は他者から評価されるものではなく、自分で決めるものであること
まず1つ目から深掘りします。
自分を明らかにし、悟り、必要な選択肢を自分で与える
為末氏は、自分のことも含めて二つの事例を紹介していました。
- 一つ目は為末氏本人の例です。
僕は早熟で、高校生の段階である程度肉体は完成していた。
「諦める力」より
だが、瞬発力と爆発的なスピードが必要な100メートルの試合で、肉離れを繰り返していた。
先生は、高校生最後の年は肉離れをさせたくないと考え、100メートルより多少スピードが遅くなる200メートルと400メートルの二種目に絞ったのだ。
「高校最後の年のインターハイと国体は200と400に絞って、大学に入ってから100に専念したらいいじゃないか」先生はそう言って僕を説得した。
渋々ながら同意した僕は、200メートルと400メートルに出場した。
400メートルでは、当時の日本ジュニア新記録となる46秒27のタイムで優勝した。
為末氏はこの時こそ、納得いかないまま、出場する競技を変えました。
しかし、あとになって冷静に自分を分析し、体格や他の選手の成長スピードなどから自分が100メートルに向いてないことを悟り、400メートルを選択してよかったと思うようになりました。
- もう一つの事例は、IPS細胞で有名な山中伸弥さんを事例にしています。
神戸大学医学部を卒業した山中さんは整形外科医になることを志し、国立大阪病院整形外科で研修医として働き始めた。
「諦める力」より
ところが、ほかの研修医が二〇分で終わらせられるような簡単な手術に、二時間もかかった。
指導医からは、邪魔者扱いされるほど下手だったという。「おまえは山中ではなく〝じゃまなか〟だ。手術は手伝わなくていい」とまで言われた。
自分は整形外科医に向いていない。整形外科医を続けるには決定的に何かが欠けている。
そう考えた山中さんは、ほかの理由も重なって病院を退職、研究者になるために大阪市立大学大学院医学研究科に入学したという。
その後の輝かしい成果は、誰もが知るとおりである。
そう、本書を読んで初めて知りましたが、山中教授は初めは医者を目指していました。しかし医者に向いていないことを知り、別の道へ進むという選択をしました。のちの山中教授の功績は皆さんの記憶にも新しいでしょう。
お二人の決めた結論で、注目すべきは、どちらも「諦めた」のか?ということです。
一見、為末氏は100メートルを、山中氏も医者になることを諦めたように見えるが、そうではない。
どちらも、最終的な目的
- 為末氏は走りで”勝利したい”という目的
- 山中氏は”病気で苦しんでいる患者を治したい”という目的
に到達するための、選択肢を変えたに過ぎません。
大事なのは最終目的なのです。
為末氏も、山名教授も、目的を諦めてはいません。あくまでも目的に行きつくための手段の選択肢を変えただけです。
ふと私は思いました。
- ブログでも同じことが言えるのではないでしょうか?
- 有名ブロガーがブログは稼げると言っていたから挑戦してみたが、稼げなかったので諦めた。
- 1年間ブログアフィリエイト続けたけど、稼げなかったので諦めた。
目的が”お金を稼ぐこと”だとすると、単純に諦めてよかったのでしょうか?
- 稼ぐジャンルを変えてて、SEO集客ではなく、SNS集客なら稼げるかもしれない。
- ブログではなく、プログラミングを勉強して積み上げることが稼げる一歩かもしれない。
- 動画編集のノウハウを勉強すれば、Youtuber動画クリエーターとして稼げるかもしれない。
未来の自分の人生を俯瞰で見れるかどうかが大事だと本書では言われています。自分の現状を明らかにして、取捨選択し、目的までの選択肢を変えることが=「諦め」であるとも言っている。
一方で、どこまで努力を続けるかを判断すること=”辞め時”の判断も大事であることを忘れてはいけない。いつまで続けるかのビジョンを自分で具体的にもっておかないと、ズルズル続けることになります。努力をしている自分を俯瞰で見れるようになることも大事なわけです。
ポイント
- 諦めることは、自分の今の状況を明らかにして、目的に対してつながる道を変えること。
- いつまで続けるか。具体的な自分の終わり際のビジョンを描いておくこと。
- 自分で選択肢を選び、さらに別の人生を選んだ自分を俯瞰で想像してみる。
己を知り、己の軸を持つこと、それが幸福へつながる。
海外では転職する人は軽々しく転職します。
さらに、日本よりも転職率は圧倒的に高い。
日本のように、特定の会社に定年まで就職することが美学というような文化はありません。
- 本書でもアスリートの事例として2つの事例が本書で紹介されています。
アメリカでは、引退が非常に軽い。ヨーロッパもアメリカと似たような状況だ。
「諦める力」より
オリンピックを目指して練習していたアスリートが、練習中にアキレス腱を傷め、病院で見てもらったら手術しなければならないと言われたので、ちょうどいいから引退する、そう言って翌週から来なくなることもあった。
金メダルを取ったアスリートが、テレビ局から依頼されてキャスターの仕事をやってみたところ、その仕事に魅せられてしまい、シーズンの途中だったにもかかわらず、それっきりグラウンドに来なくなったこともあった。
「諦める力」より
アメリカでもヨーロッパでも、極端に言えば「引っ越しをしたから」くらいの理由で軽やかに引退してしまう。
日本人は全力を尽くして、全うするのが善という考えが強く、それが美学でもあり、ある種の評価対象にもなっています。
事実、私の会社にも、永年勤続表彰があり、15年勤続から一定の報償金がもらえます。
- 永年勤続が果たしてベストな選択だったのでしょうか?
もっと自分の才能が開花するほかの職種があったかもしれません。
今の自分を明らかにして、ほかの選択肢を検討しようとすることの重要性をヒシヒシと感じました。特にその選択肢の可能性の幅は年齢にも左右されます。若ければ若いほど失敗を恐れず、沢山の選択肢から可能性を取捨できます。
もっと初期段階で、己を知ろうとすることが非常に重要だと思い知らされました。本書が自分に向けて、「このままでいいのか?」と問いかけられているように感じました。
事実、世の中の大半の人が転職などせずに一つの会社で働いている場合が多いと思います。特に大手企業であればあるほど。
しかし、己を知って、自分の方向性を自ら変えることは一つの幸福感への達成方法なのです。
- さらに、以下の記述から、己をどう知ってブランディングするかの大事さもAKB48の総選挙を事例に出して説明しています。
AKB48の選抜総選挙は、センターポジションを選ぶ一直線のランキングのように見えていながら、メンバーそれぞれの物差しで自分なりにランキングを作り出したところが面白い。
「私は絶対にセンターポジションを狙う」
「私はナンバーワンじゃなくて、いじられキャラ担当」
「私はお笑いキャラで行く」
AKB総選挙の例から感じたのは、オンリーワンは誰かが勝手に決めることであり、自分が決める、”自分の軸”が大事です。
”自分の軸”(=自分の芯のようなもの) という解釈。
自ら自分で方向性を見つけることがとても重要です。
- 「自分の軸は何かを知る。」
- 「できることをやる。」
- 「勝てるところで勝つ。」
しかも楽しくなければいけない。楽しいことこそが、「幸福感」への直結するマインドです。
ポイント
- 己を知ることにより、最終的には幸福感へつながる。
- あくまでも前提は、他者や会社からの”やらされ”ではなく、”やってもいい”というマインドが重要。それが自分の軸である。
- ”やってもいい”というマインドが楽しさへつながり、幸福感へもつながる。
軸は自分で決めるものであること。
自分が見える世界の”自分の軸”は誰が決めるのでしょうか。(ここでいう、軸とは、自分の芯、突出したこと、のようなもの)
誰かが評価した、誰かが敷いたレールに乗っかって進んでいくだけでは自分の軸は無いに等しい。
- 以下のような考えについても本書では言及しています。
「俺的ランキングだと、けっこういいところまでいってるんですよね」
「諦める力」より
”万人”受けする金・銀・銅のランキングは確かに評価されるかもしれないが、もうそんなランキングは世の中に出尽くしています。ビジネスでニッチな市場を獲得するなら、自分目線のランキングも大事。
自分目線の軸は、自分で決めてこそ意味があります。すでに存在するランキングを目指すのは、終わりの見えてない努力にすでに乗ってしまっています。
誰かのランキングでは”勝てない”。誰かが決めた土俵で勝てないんです。
物心ついたときにはすでに、誰かが決めたランキングに強制的にのっかってしまっている場合もあるだろう。
ランキングが何かも知らずに。
ランキングから脱落、フィールドを変えるという選択肢の重要性に気づけるには、経験も勘も必要。勝つことを目的とするのであれば、手段を変えて、今自分がいる状況を明らかにしなければいけません。
そのために、自分の軸を持ち、”諦める”ことが大事なんです。
すべてにおいてベストな選択なんてない。常にベターな選択。
ベターな選択を日々続けられるかで、人生においてもビジネスにおいても重要であると感じた。
ポイント
- 自分の軸が何かを考えることがビジネスでのニッチな市場を狙える可能性になる。
- 選択肢の視野を広げられるのは経験に基づく勘による。
- 選択肢を選ぶことにベストなんてない。常にベターであると考えるべき。
まとめ:『諦める』の真意
本書を読んで私が道びだした『諦める』は以下の通り。
『諦める』の真意
- 明らかにして、今の自分を悟る
- つまり、出来ないから諦めるのではなく、今の自分がどういう状況かを理解し明らかにする。
- その上で、本来の目的に対して諦めるのではなく、そこへ向かう道の選択肢が今の自分には不向きだったことを悟る。
- そして、別の道を選択する。
⇒上記が「諦める」と解釈すべきである。
誰しもが「諦めてしまう」、「挫折してしまう」ことというのは、ネガティブな印象があります。
しかし本書を読んでわかることは、最終的な目的さえ達成できれば途中の手段については挫折してもいいんだと気づかされました。
もっと気楽に今取り組んでいることを考えて、何か別の手段、別の道が無いかを模索してみるのも大事だなと感じました。
以上、”諦める力”の書評・感想でした。
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